Sound Tracks > Spaghetti Western | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
Artist | ||||||||||||||||
STELVIO CIPRIANI |
||||||||||||||||
Title | ||||||||||||||||
THE BOUNTY KILLER |
||||||||||||||||
![]() |
|
|||||||||||||||
|
||||||||||||||||
Review |
||||||||||||||||
"THE BOUNTY KILLER"は、チプリアーニ29歳のときの映画音楽デビュー作。エレキ・ギター、トランペット、エレキ・ベース、ドラムスを中心にラフで芯の太いマカロニらしいスコアを書いた。基本的には、ヒロイックで疾走感にあふれたメイン・タイトルと、哀愁を帯びたスローなセカンド・タイトルの2曲からのバリエーションであり、このパターンはモリコーネの初期マカロニ作品からの影響だろう。全体にゴツゴツした質感が最高。全9曲。 "UN UOMO, UN CAVALLO, UNA PISTOLA"でも、モリコーネをより男っぽくしたようなストイックな曲調は健在。それどころかモリコーネ色がいっそう強くなった印象さえ受ける。モリコーネとのちがいは、チプリアーニはモリコーネの定番であるコーラス(絶叫らしきものはあるが)、ピアノ、ストリングスをいっさい使っていないか、使っていてもごく控えめであること。低予算のためオーケストラが使えなかったことも理由としてあろうが、このことがかえっていい結果を生んでいる。ただし、“愛のテーマ”風のロマンティックな展開は望めない。 出色は'ZOCCOLI NELLA POLVERE'。アルト・フルートの前奏からお約束のトランペット独奏へ、するとテンポ・アップしてファズの効いたエレキ・ギターの颯爽としたテーマ部になだれこむ。そこに突然、ホワイト・ノイズが入り音楽は中断、スペイン風のファンダンゴがはじまるというわずか2分16秒のうちにめまぐるしく曲調が変わる凝りに凝った趣向。全11曲。 前2作とは対照的に、スペイン製ウェスタン"NEVADA"はストリングスをフル活用したロマンティックなスコア。同一主題を執拗にくり返してみたり、ゆったりしたリリカルなメロディを入れるところなど、70年前後のモリコーネにそっくり。ひとつのモチーフが反復されるにしたがって徐々に膨れ上がり過激になっていく。ストリングスによる早いパッセージの反復はマイケル・ナイマン風にも聞こえる。ただし、ここでもコーラスは使われていない。ラストは、本盤唯一のヴォーカル曲。ドン・パウエルの悠揚とした歌いぷりも悪くない。全7曲。 |
||||||||||||||||
(6.8.03) |
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
![]() ![]() |
前の画面に戻る |
|||||||||||||||